ありったけライブ体験記!
2005年2月6日(日)東京・初台 DOORS にて行なわれた「岩井小百合 ありったけLIVE」 は大成功でした!

 当日は150人を越える観客が、小百合ちゃんとバンドメンバ−との見事なコラボレ−トを展開!
20周年ライブを超える最高の盛り上がりでした!
【1】ついにこの日が…
 眠い、眠い…その時私は眠い目をこすりながら電車に乗っていた。前日、興奮していたのとやることが山のようにあった関係で眠りについては午前5時。1時間しか寝ていないのではさすがに眠かった。
 お天気はまるで小百合ちゃんのことを祝福するかのように晴れ渡り、抜けるほど青く神秘的ともいえるぐらいきれいな空が東京の空一面に広がっていた。なんて素敵な空なんだろう…こんな素晴らしいお天気の日に彼女と逢えるなんてきっと神様が気を遣ってくれたに違いない。
 いよいよ今日が来てしまった…今回のライブを誰よりもずっと待ち続けていたのに、私のココロの中にはすぐにはこないでほしいという想いが存在していた。彼女に逢えることは私にとって生きていることの確認のようなものである。彼女の歌、彼女との会話、しぐさ、表情…それら一つ一つが私に喜びのしずくをあたえ、その波紋が私の心の中に広がる。まさにシアワセこの上もない状況なのだが、それが終わってしまうとおそろしいまでの静寂がやってきてしまう。逢えるのは嬉しいけれど別れるときは我慢できないぐらいに淋しい。だからもう少しこころの準備をしておきたかったのだ。
 さて、私の乗った電車は新宿駅へ。ここから京王新線に乗換えだ。たった3分ほどで初台に到着。もう何回も来ているせいか、まったく迷うことなく改札出口へ。階段を1歩1歩踏みしめながら歩いて出口へでると、そこには見慣れた光景が広がっていた。
 ついに来たのだ…前回のクリスマスライブから1年2ヶ月経ってまたこの場所にやって来たのだ。
【2】事前チェック
 集合時間よりも2時間以上も前に到着していたのでさすがに見慣れた顔の人はいなかった。しかし、何人かどことなくそれっぽい人が会場前を通過していった。さてどうしよう…天気はいいのだが風は冷たく、かといって情報収集もしたいので目の前の新国立劇場前のイスにこしかけていた。
 そういえば…急いで出てきたので小百合ちゃんに手渡しするお花を買っていないことに気がついた。前回ライブのときに新国立劇場の中でとってもきれいなお花屋さんがあることを知っていたので、移動開始。すると私の携帯にメ−ルが着信した。ペペロンさんだった。「もう着いてますか?」。別に隠しても仕方がないので着いている旨を返信。でもお花は必需品なので進路は変更せずにオペラシティ方面へと速度を上げると、ナント、ペペロンさんに遭遇した。そのまま話しながらお花やさんに2人で向かった。そこの花屋さんはこぎれいでめずらしい花が多い。待つこと5分。なかなかきれいなブ−ケを手にした私は、会場前へとUタ−ンした。
 ペペロンさんと「今日もN田さん来ますかね」「当然来るでしょう、チャリで」などと他愛もない話をしているとそこに指定ハンタ−さんが到着した。「まだ集合時間より1時間も早いのに…彼も相当彼女のことが好きなんだろうな」と私は内心思いつつ、なじみの顔が増えたことに安堵した。
 「ここじゃ寒いですね」…そんな話になって、前回ライブの時には存在していなかったド〇−ルコ−ヒ−に移動した。外が見える席に我々3人は陣取って、外の様子をうかがいながらライブの予測や小百合ちゃんの話に花が咲いた。
 時間が経つにつれ知っている顔の人が何人か通過していく。なかなかの集まりのようだ。少しずつではあるが、徐々にみんなが緊張しているのを私は肌で感じていた。
【3】入場準備
 集合時間の14時30分が近づく。時期を伺っていた我々も静かに動き出した。ドト−ルから歩いて5秒。文字通りあっという間にDOORSに到着した。
 会場のDOORSの前にはすでに約50人以上の方が集合。知っている顔は半分ぐらいだが、今回は若い女性の方も何グル−プか来ていて、なかなか新鮮な感じだった。我々と同年代の人は男女関係なく数が多い。しかし、明らかに違う年代の人も来ていて、彼女のファンの層の厚みを実感した。 
 しばらくするとDOORSのスタッフらしい人が出てきて番号順の整列と撮影機材の預かりの説明があった。みんなおとなしく列をつくる。秋葉原のと時と違って実にスム−ズな動きだ。
 気がつくと私の前にいる人はみんな知っている人ばかり。話をしてみるとみんな発売開始の零時零分にメ−ルしていたことがわかる。実は私もその一人だったのだが、その中では私が一番最後の番号だった。まあ、でも公平に順番が割り振られていることがわかり、スタッフの誠実さが感じられた。
 その時私の肩をたたく者があった。
【4】静かなる突入!
 振り向くとそこには帽子をかぶった若い男性が立っていた。山〇かまち君だった。彼はあっとおどろく放送局のお見合い企画のときに出演された経験もある若手ファンのホ−プだ。「どうも、お久しぶりです!」まだ大学生の彼なのに礼儀正しくわざわざ私の姿を見つけて挨拶してくれたのだった。本当は話したいことが山ほどあったのだが、チケットの番号が違っていたので離れ離れになってしまった。
 「え〜撮影機材を持っている人は自己申告してください」そういって係りの方が預かりに回ってきた。私はカメラとレンズを預けたがこの方法はいいやり方である。自己申告だからそんなに角がただず、しかも一応のチェックになるからだ。最近はビデオカメラもコンパクト化しているので必要にことなのであろう。
 ほどなく、「え〜それでは今から入場を開始します」という声とともに番号順での入場が始まった。みんな静かに会場の入口へ向かう。そして階段を少し下りたところでチケットの確認とドリンク券の引き換えを行なっていた。女性係員が赤のマジックをグ−で握ってチケットにレ点を入れる。気が焦っているせいかその動作が少しだけ緩慢に見えた。
 階段を下りきって右に曲がると、地下の会場の入口がぽっかり口を開けて我々を出迎えていた。入ってすぐの向かって左側に小百合グッズのコ−ナ−を発見!かな〜り気を奪われたものの、まずは席の確保へと向かう。希望の場所は一番前の中央通路寄りの席。もちろん最高のポジションだ。しかし、私の番号ではさすがにその場所は空いておらず、その右側の席に座ることにした。後から入ってくる人たちは静かに黙々と席についていく。しかし、奪い合うような光景や他の人の席を取るようなうな姿はなく、とっても紳士的な静かな風景だった。そこで私はまたもや声をかけられた。
【5】開演前
 声の主はち〇りんさんだった。彼女はずっと昔からのファンで、以前には小百合ちゃんの応援サイトまで作っていたほど気合いの入っていた方である。「久しぶり〜」本当にそうだった。彼女は小百合ちゃんの歌手としての活動が好きなのでライブには毎回顔を出されている。しかし、前回から小百合ちゃんの産休等でライブの期間が開いていたので自然と直接は逢わなくなつていたのだった。それにしても不思議なもの…小百合ちゃんに出逢わなければなければこの方に出逢うこともなかったわけで、今更ながら小百合ちゃんの影響の大きさに気づかされていた。
 次に私は入口の方にタ−ンした。理由は当然小百合オリジナルグッズを確保するためである。。テ−ブル一面に並べられているグッズはかなりきれな状態で山盛りになっいた。私はまず「カレンダ−と携帯ストラップ」のセットを購入。なぜかといえば携帯ストラップの新柄が5種類も登場!それぞれが選べるので私がゲットしないわけがない。価格はセットで2800円。かなりお買い得価格となっている。
 わたしが選んだのは小百合ちゃんのバスガイド姿のストラップ!とってもきれい…彼女は本当にこういう姿がよく似合う。次にわたしはオ−トグラフのセットを購入。これも3個セットということでかなり満足な内容。今回は比較的低価格でかなりいいグッズを購入できた。
 ふと気がつくと会場はかなり後ろまで人が埋まってきていた。どうやらとっくに座席はなくなり、みんな立ち立ち見の状態になっているようだった。「まもなく岩井小百合ありったけライブを開始いたします」というアナウンスが流れる。いよいよ開演時間がせまっているのだった。
【6】オ−プニング
 どんな始まり方をするのか…興味を持って待っていると、静かなやさしいピアノのメロディが流れてきた。小百合ちゃんの曲ではないものの、どこかで聞いたことのあるような哀愁系のメロディだ。みんな一言も発せずまだ暗いままの舞台を見つめていると、バンドのメンバ−が続々と入ってセッティングを始める。そして…DOさんのドラムを合図にイントロがはじまった。ナンバ−は記念すべきデビュ−曲の「ドリ−ムドリ−ムドリ−ム」だ。彼女は白に青のラインの入った衣装で登場!、とっても清楚な感じがするすのドレスはウェディングドレスではないものの、デビュ−当時を彷彿させるすばらしい衣装だ。♪今はドリ−ムドリ−ムドリ−ム夢見る季節よドリ−ムドリ−ムドリ−ムときめく私は…みんな小百合ちゃんにあわせて右手を回転させる。そして一緒にドリ−ムドリ−ムドリ−ムと歌いながら手拍子をする。アップテンポのナンバ−でオ−プニングから一気にパワ−全開だ!
 今回プレミアチケットにはおまけとしていろいろな特典がついていたのだが、その中でポイントが高かったのがペンライト。袋を開けてペンを曲げると発光するヤツだ。私はすかさずこのライトを点灯し、ブルブル振りながら声援をおくる。
 ♪涙のしずくで〜光る指輪を作って〜この部分は1.2手拍子。パン・パパンと叩いて「フ〜」という甲高い声をあげる。誰でも出来てなおかつ積極的に応援できる素晴らしいところだ。私もとうぜん「フ〜」という声をはりあげる。わたしは昔は声楽をやっていた時期やアマチュアDJをやっていたので叫ぶことにはなんら抵抗はない。いや、むしろさけびたくて仕方がないといったほうが正解だと思う。大きな声をあげればそれだけ彼女の応援になる。そして彼女に「ここで応援してるよっ!」というようなアピ−ルができるような気がしてなおさら声援と拍手に熱が入るわたしであった。
 
【7】努力
 彼女の歌声が会場に響き渡る。本当に素晴らしい歌声だ。きっとボイストレ−ニングをおこなってきたに違いない。それにきょうのこの日の為に彼女は5回ぐらいリハ−サルをやったのではないだろうか…家事と育児の合間にこれだけの時間をひねりだすのは本当に大変だったことであろう。そういえば、彼女は今までつらいことや嫌なことがあってもそれを人前ではあまり公表してこなかった。本当はいいたいことが山ほどあるに違いないが、それはタレントとしてのイワイサユリがずっと抑えてきたのだろう。でもそんな苦労や努力を影で重ねて頑張ってきた成果が、思う存分今日のステ−ジで発揮されていた。
 やっぱり彼女はねっからの歌手なのだ。そうでなければこんなに輝いて歌えるはずがない。そしてその輝きと気持ちが観客にも伝わっているからこんなにも会場が盛り上がるのだ。ドリ−ムが終わったときの大きな大きな声援を聴いて、今日のライブはきっと素晴らしいものになると私は確信した。
【8】たまらない
 ♪たらららん、らら、らんらら、らんらら、らららん…ドリ−ムの後に間髪いれず懐かしいメロディが流れはじめる。よく聴いていた曲だ。♪赤い靴は大好きのサインよ、日暮れの街、背伸びのハイヒ−ル…そうだ「赤い靴のロマンス」だ。FAIRYSAYURIに入っていたアルバムナンバ−だが、ノリがよくてかわいらしい一曲だ。
 彼女の伸びのある歌声に合わせて拍手をするが、私としてはコ−ラスの部分をついつい口ずさんでしまう。それは一緒にコラボしているような気持ちになるからだ。♪あなたが(あ〜な〜た〜が〜WOO・WOO〜)コ−ラス隊のSATOMIさんとSHIHOさんのお2人がしっかりと歌ってくれているので私もそれに合わせて歌う。楽しい、本当に楽しい。
 それに加えてなつかしい思い出と昔よりも素敵な彼女の歌声、そして客席の一人ひとりに目線を配って笑顔を見せてくれるあのしぐさが本当にたまらない。たとえこの曲を知らない人がいたとしても、十分に楽しめる瞬間だったに違いない。
【9】このメロディ
 早や着替えで今度は赤いスカ−トを貴重とした衣装にチェンジ。次のナンバ−は♪ナミダ、ナミダ〜うれしナミダ〜…そう「ウレシナミダのビ−チサイド」FAIRYSAYURIからの連発だ。この曲もまた私はコ−ラスでコラボ。♪ONE MORE KISS うす目を(WOO〜WOOWOO〜WOO〜WOOWOO〜)とってもとってもいいメロディだ。他の人も歌ってはいなくても♪もっともっと、のところではみんなノリノリ。間奏ではオバタさんのギタ−がうなりを上げて花を添える。この一体感は参加した者でないとおそらく味わえないであろう。
 そして今度は変わったイントロが流れてきた。おおっ、この曲は「恋のアメリカンパトロ−ル」ではないか!今までのライブでは絶対にかかることのなかったナンバ−だ。このあたりの選曲がやはりありったけライブの醍醐味であろう。♪F・B・I捜査するぞ、C・I・Aつかまえちゃうぞ…このあたりを歌と一緒にフリつきでやられると本当にたまらない。すてきなすてきな空間が広がっていた。
【10】こんな仕掛けが
 アメパトが終わるとステ−ジが暗くなり、小百合ちゃんは舞台のそでに退場。そして後ろの黒い幕が左右に開き、中から白いスクリ−ンが現われてきた。「何が流れてくるのだろう」…ドキドキしながら見ていると車の中からの影像だった。小百合ちゃんのナレ−ションで撮っているのもご本人のようであった。
 今は東名高速。実家に向かっていますとのこと…秦野にあったご自宅のことであろうか。ほどなく影像は実家近くの場所にタ−ン。「ここが私の部屋だったところです」外から2階の窓を映しながら彼女が教えてくれた。その窓にはシ−ルみたいなものがはってあった。続いて室内へ…小百合ちゃんの昔のグッズや家族の写真まで公開してくれた。特筆すべきは衣装の紹介!武道館の時の白いドレスの衣装は実は黄色いモコモコのリバ−シブルだったという実物の衣装紹介であった。みんな誰も何も発しない…すべてがスクリ−ンの影像に釘付けだった。
 彼女の成果…それがこの記念すべき影像となっているのだ。彼女は「苦労した」とは一言も言わなかったけど、黙々と頑張っていたことがこの影像には表れていた。すこしでもみんなが楽しんでもらえるようにという彼女の願いと共に…。
【11】シンガ−
 ビデオが終わると着替えを終えた小百合ちゃんが登場。スロ−テンポの曲が流れ始めた。♪JUST A FRIEND〜 そう、知る人ぞ知る名曲「涙のシルエット」だ。この曲は正直なところ発売当時あまりヒットせず、どちらかというと地味な印象の曲であった。しかし、今はどうだろう…この彼女の見事な伸びのある声、哀愁のこもった歌い方、彼女の歌にこめたメッセ−ジがひしひしと伝わってくる。小百合ちゃんは今までいろいろなことを体験し、そして今に至っている。その彼女の歴史が、この歌の重みとなってあらわれているのであろう。
 岩井小百合といえばアイドル…そういうイメ−ジを持つ人もまだ多いと思うが、この曲を歌っている彼女は間違いなく「シンガ−」としてのイ岩井小百合だ。彼女の歌をもっともっと他の多くの人に聴かせたい…そんな気持ちでいっぱいになった。どうすればもっと多くの人に聴いてもらえるのだろう…そうだ、まずDREAM BOXを世に出して、そこからシングルやアルバムをまたキングさんから出してもらえばいいではないか。曲はどうするか…今の彼女に合った曲を選曲すればいいのだ。「シアワセとは気づくものなんだよっ」をはじめとして未発表曲を入れるとか、あるいはこの「涙のシルエット」や「ときめきの海」を再レコ−ディングすれば、きっと世間で反響があるに違いない。今の岩井小百合の歌唱力と人間的な魅力、そしてルックス…どれをとっても超一級品なのだから、この部分をキングさんにアピ−ルしなければ…。CDが出れば家事をしていても彼女は活躍できる、そんなことを私は頭の中で勝手に考えていた。
 ふと気がつくと彼女が間奏の部分をキ−ボ−ドで弾いている。そうだ、彼女は弾き語りもできるのだ。彼女の魅力は本当に尽きることがない。うっとりと聞き惚れているうちに曲が終わり、彼女のト−クタイムになった。「みなさん、こんにちは〜」元気いっぱいの彼女が満面の笑みをたたえて客席に呼びかける。こちらも負けじと「こんにちは〜」。見事な一体感だ。そしてここで今回の「ありったけライブ」についての説明があった。今までの22周年のみんなへの感謝…そんな気持ちがこめられているとのことだった。
 
【12】弾き語り
 ステ−ジに出ていたキ−ボ−ドを使って彼女は弾き語りを始めた。曲は「いつか…きっと」。この曲はアルバムのディアハ−トに入っていた曲なのだが、全体で1分程度しかないとても短い曲。当時は気にも留めていなかった曲なのだが今ナマで聴いてみるとそれは私の誤りであることがよくわかった。「なんて素敵な…」即興でつくったというこの曲だが実に今の彼女によく合っている。きっと弾き語りの魅力も加わっているのであろう。まだ聴いたことのない方にはぜひともオススメの一曲だ。
 そして次のナンバ−は「早春メモリ−」。♪でも、もうすぐ春です〜雲は綿菓子みたいよ〜 やっぱり何度聴いてもたまらない哀愁系の名曲だ。彼女の心のこもった歌声が会場内に響き渡る。誰も無駄話したりよそ見している人なんかいない…みんな彼女の歌に酔いしれていた。
【13】哀愁
 このイントロ…体に震えがきてしまう。曲は「そっとさよなら」だった。彼女のかわいらしさと優しさ、そして伸びのある歌声が見事にマッチした素晴らしい曲だ。♪会〜いた〜い 会〜えな〜い 今も今も今も好きよ誰より…なんか聴きながら泣きそうになってしまった。この歌は一緒に楽しむというよりまさに歌手岩井小百合が「聴かせる」ための一曲である。
 余韻に浸っているうちに会場は暗転。ビデオ上映の2回目が始まった。今回は本邦初公開の現在のお宅拝見!といっても支障のない部分だけだから写っている場所はごく限られていた。覚えているところではパソコン周辺の影像とか空気清浄機とかが印象に残っている。
 一番のみどころは新人賞を受賞したときの赤の衣装!最初に胸のところのSAYURIの部分をめちゃめちゃUPにしていたから全然何のことかわからなかったが、そこからズ−ムを引いて映してくれたので、わかった時は一同思わずためいき。この衣装はとってもすてきだったし、小百合ちゃんにとっても似合っていたから私も大好きな一着。小百合ちゃんのセンスが光る影像だった。
【14】ト−ク
 そして舞台にライトがともり、「Star dust drive」。♪あ・お・い闇の中を 通り抜けたら… この部分の彼女のフリが大好きだ。手と腰を振りながら体を上下させるのだが、それがなんとも曲のイメ−ジに合っているのだ。そして♪STAR DUST DRIVE〜彼女の体が照明の光をあびて七色に輝く。その光の中で歌う彼女の姿は本当に生き生きとしていたのだった。
 「48曲あるんです…」彼女は歌い終わるとそう切り出した。「もちろんレコ−ディング以外の曲だともっとあるんですけど、アイドル時代の3年間に48曲はかなりあると思うんです。今回はありったけライブだから全部歌いたいんですけどさすがに無理なのでメドレ−にしました」聞いていた私は思わず「なるほど」とうなづいてしまった。曲はたしかに全部は歌えない。でもメドレ−ならばみんなの希望をかなえられる…なかなか粋なはからいだ。
 「それから私目がいいんです。今日はおなじみの人から初めての人、それに派手な服装の人までいろいろいますね」会場から笑いが起きる。小百合ちゃんのト−クはあいかわらず素晴らしかった。
【15】メドレ−
 それではこの曲からです!いよいよメドレ−が始まった。最初の曲は「ボ−イフレンド作戦」。ファ−ストアルバムの3年7組いわいさゆりからだ。メドレ−というだけあって絶妙なタイミングで次のナンバ−の「Look at me」へ。この曲は水色のラブレタ−のB面なのだが、本当にいい曲だ。♪(Look at Look at Look at)Look at me〜私を見てね こころこわれそ〜う〜よ〜 みんないい感じで拍手しながら彼女との時間を楽しんでいた。
 そして次は「一枚の写真」。♪ステキな One special boy…一緒に口ずさんでいるとDoさんのドラムであっという間に♪エメラルドの湖に 白いボ−ト漕ぎ出して…と次の曲へ。秘密のキャッスルはビデオ「ロマンティックストリ−ト」の印象が強い。あのビデオのように今の小百合ちゃんも妖精のように輝いている。いや、あのときよりもずっとずっとステキになっている。ずっとこの時間が続いていたら…私はそう考えずにはいられなかった。
【16】食べ放題
 大きな拍手を受けて大好評のうちにメドレ−を終了。続いて小百合ちゃんのト−クタイムとなった。遅ればせながらの出産の報告のあと、お腹をこわした話へ。「カニ食べ放題の店に入ったら足の細いカニばかりの上に時間制限であまり食べられずしかもにおいが変なにおいだったとか…でもかまわず食べつくしてしまいました!」誰もがここでカニのせいだと思ったに違いない。ところが「実はそうじゃないんです。そのあととなりのトンカツやさんに行ってまた一人前食べちゃったんです!」と彼女が告白。あまりに長い前置きだったのでみんな大爆笑の渦となった。
 彼女は本当に話が上手い。間のとり方が絶妙なのだ。これはきっとレポ−タ−の仕事や司会のお仕事をしていたからに違いない。またレギュラ−のお仕事をやってもらいたい…彼女の魅力がこのわずかな時間のト−クでも十分に発揮されていた。
【17】クェスチョン
 「次はアルバムの曲なんですけど、よくテレビでも歌っていました。」彼女のこの話しを聞いて私はすぐに次の曲が何であるかがわかった。その曲は「渚のクェスチョン」。このころの彼女はよくミニスカ−ト風のフリフリモコモコの衣装で登場し、振りつきバッチリで踊っていたのをよく覚えている。
 予想通りこの曲がはじまったがノリの良さは当時以上かもしれない。♪ひとつ私は夢の中に出てきますか ふたつ Kissをしたいなんて 思いますか みっつ 毎日、会ってくれますか〜…この部分のひとつ、ふたつというフリが私は好きだったのだが今回も期待に応えてやってくれました。このあたの気配りが本当にありがたかった。
【18】トゥトゥルル
 渚のクェスチョンが終わって何の説明もなく次の曲が流れてくる。とてもとてもなつかしい曲。アルバムの曲だったかな…いや、違う。「いちごの片想いPART2」だ。こんな名曲がすぐにわからないようではイカン。この曲はあの名曲「いちごの片想い」のB面なのだが、両A面ともいえるぐらい完成度の高い曲である。みんなも拍手しながら昔を思い出しているかのような感じだった。
 曲が終わるとビデオ上映へ。どうやらライブのリハ−サルの模様らしい。今回は何回もリハ−サルを重ねられたそうだが、その影像は楽しい中にも厳しさが漂っていた。これがまさにプロの仕事なのだろう。でもふだんまず見ることが出来ないリハの様子が見られるのは大きな収穫だ。
 そしてナンバ−は人気のあの一曲。「ドレミファソ−ダ」だ。ドレミファソ−ダはみんなが自然と反応してしまう一曲である。、彼女が「♪ドレミファソ−ダに相談!」といえば観客のみんなが「♪そうだん」と返す。この一体感がたまらない。そしてもう一つのポイントはやはりコ−ラス。「♪ウ〜ウィウ〜・トゥトゥルル…トゥトゥルル」こんなにいいコ−ラスを持っている曲を私は知らない。当然私はまたもや「トゥトゥルル」を連発だった。
【19】ヒ−トアップ!
 「こんなに長い間このお仕事をしているとは思ってもいませんでした。」彼女のこの言葉にみんなしんみりとした気持ちになった。彼女がデビュ−してから22年。本当に長い時間だったと思う。その間、彼女にいろいろなことがあったように、我々一人ひとりにもいろいろな出来ことがあり歴史を重ねてきた。その思いはみんな誰しもあることだろう。
 「前までは過去を振り返るのはイヤでした。でも歳を重ねて思ったのは過去があったからこそ今があるんですよね。みん今日来てくれて本当にありがとう!これからもお互い頑張っていきましょうね」客席からはわれんばかりの拍手が巻き起こった。「なんかしんみりしちゃったけど今からはヒットナンバ−お届けします!みんな用意はイイ?」彼女の呼びかけにみんなが大声で応える。
 ダ−ンダ−ンダンダンダンダン。Do藤崎さんのドラムがうなりをあげて流れ始めたのは「水色のラブレタ−」だ。軽快なリズムにみんなの拍手も自然と弾む。この曲は本当にいつ聴いても気持ちのいい曲だ。小百合ちゃんもノドの調子はばっちりのようで、もう長時間歌い続けているにもかかわらずますます声に「張り」がでている。♪愛しているならどうぞ 水色のびんせんにして…そうそう当時はこの曲の影響で水色の便箋とか使ってたよな…そんなことを考えながら私もDo藤崎さんのドラムに合わせてペンライトをスティックのように叩いて応援。自分でもノリノリなのがよくわかった。小百合ちゃんのロボットダンス、声量、歌詞、どれも完璧で歌い終わったときはみんな思わず「ヒュ−」という歓声を上げていた。
 続いて♪デ〜ンデンデンデレレレレ、デレレ、デンデンデ〜レレレレ…ベ−スの渋い音が響き渡るこのナンバ−はもちろんおなじみの「いちごの片想い」だ。♪こ・い・は・ストロ-ベリ-ベリ-グッドと小百合ちゃんのポ−ズが見事に決まる。結婚しようが子供がいようがそんなことは小百合ちゃんはまったく感じさせることはない。そもそもこのポ−ズが似合うのは彼女をおいて他にはいないのだ。
 観客もかなり熱が入ってきているので彼女が「♪アナタ・ツ・カ・マ・エ・テ〜ネ〜」と右手を流せばそれと同じように右手を流す。♪み〜んなキラキラ、まぶしく踊るの…の部分は当然1・2手拍子で「フ−」の掛け声。その掛け声と一緒に突き出した後ろの人の右手が私の両肩の上をそのたびに通過していったので、振り返らずとも後ろがとても盛り上がっていることがわかった。
【20】小百合コ−ル
 曲が終わってもドラムの音が続いている。「え〜それでは次はドキドキハ−トのバ−スデ−パ−ティ−です。ドキハ−パ−。みんなそれじゃあいつものように練習するわよ。え〜と、座ったままでもいいんだけど…」彼女がそう言い終わる前に最前列のメンバ−は立ち上がり、後ろの人もそれに続く。やっぱりみんな気分がノッテいるので立ちたくてうずうずしていたようだ。
 「じゃあまずはこちらから」ステ−ジ向かって右側からコ−ルの練習だ。せぇ〜の「さゆりちゃ〜ん」。小百合ちゃんの掛け声でみんなが応える。第一声にしてはなかなかの声量だ。「じゃあ今度はこっちよ」と私のいる方の側だ。せぇ〜の「さゆりちゃ〜ん」。あきらかに声がデカイ。バンドの人たちも笑って見ている。
【21】は〜い!
 「ここで普通ははじまるんだけど、今日はみなさんに一緒に参加してもらいたいと思います。参加していただくのはむかし銀蝿のお兄さんたちがやっていたコ−ラスです!」小百合ちゃんの提案に会場からは拍手が起こった。「じゃあ、こちら側でやりたい人!」とのよびかけに東京の人と大阪の人の2人がすぐに決まった。「じゃあ、今度こちら側は?」すぐには決まらなかった。
 私がでたい…もそう思ったが一瞬躊躇してしまった。しかしその時周りの人から「チャンスよ。出なよ」と何人かの人に肩を叩かれた。次の瞬間、私は右手をこれ以上ないほど高々と突きあげ、みずから「は〜い」と大声で叫んでいた。
【22】圧倒
 「じゃあ、はい、あなた!」確か彼女はそう言って私のことを指差してくれたような気がする。私はそのまま舞台の前にあるステップ踏んでステ−ジの上に上がってしまった。舞台の上にあがって驚いたのはいたのは客席の様子。みんな立ち上がっているせいもあって、とにかく見渡す限りのひと!ひと!ひと!客席の後ろいっぱいまで人がいるし、2階からもたくさんの人がこちらを見ていた。
 「それじゃあお名前聞きましょう」彼女が一人ひとり名前を聞いてくれた。まず最初は東京のOさん、次は大阪から来たSさん。彼はナント星型のタンバリンを持っていた…大阪からわざわざもって来たのだろうか。そして次は私BAZOOKA ONO。「ONOさんは岩井小百合LOVELETTERというファンサイトを作ってくれています!ありがとう。」彼女の気配りの言葉がとてもうれしい。「そしてずっとさっきから気になっていました」という言葉のあとにグラサンと黒のス−ツに身を固めたHさんが紹介された。
 「それじゃあみんなでいきますよ〜せ〜の〜さゆりちゃ〜ん!」すごい声援が客席から返ってきた。客席にいて叫んでいるよりも実際に送られてくる側では全然迫力が違う!正直、「こんなにもすごいのか!」とあらためてびっくりしてしまった。
 「ワン・トゥ-・ワン・トゥ−・スリ−フォ-」彼女の掛け声でエレキギタ−がうなりをあげた。
【23】さざ波のドキ・ハ−・パ−
 私は今回は客席側ではなくステ−ジ上にいた。まったく予想だにしていなかったことだ。そして目の前には2人1組でスタンドマイクが置かれている。♪ブ−ン・ブ−ン・ブ−ン・ブ−ン・タタタン…いかん、はじまっているではないか!「OK!・ファイト・レッツゴ−」気がつくと私はマイクに向かって絶叫していた。「S・A・Y・U・R・I・さゆりちゃ〜ん」すごい、すごい、この熱気は下からではけっしてわからない迫力!ふだん多くの人前で話す機会の多い私でも、こんなに興奮するのははじめてだ。
 ♪シェイク・ユア・ハンド(パンパン) モジモジしないで シェイク・ユア・ハンド(パンパン)リズムに合わせて…みんなすごいのっている。パンパンと手拍子を叩いたときの一体感と力強さがものすごい。それにステ−ジから客席を見渡すと、大きな大きな人の波がぎっしりと詰まっていて、それが右へ左へ後ろから前へまるでさざ波のように次々と押し寄せてくるのだ。「小百合ちゃんはこんなにすごいステ−ジを毎回してるんだ…」とあらためて驚かされる。
 そしてみんなで♪「さゆりちゃ〜ん」の大合唱。もちろんコ−ラスの山場♪「恋人いるの?!」と「誰が好きなの?!」のところで私が絶叫していたのは言うまでもない。まぶしいばかりの光をあびながら、私はまるで夢の中にいるかのような錯覚に陥った。「なんて楽しいんだろう、なんて盛り上がってるんだろう。ああ、このままずっとこのまま彼女と一緒のステ−ジにいたい」そんな気持ちでいっぱいであった。
【24】満ち足りた空間
 あっという間の3分間だった。しかし、なんて密度の濃い時間を経験できたのだろう。こんな機会を与えてくれた小百合ちゃんや他の仲間に対して本当に感謝の気持ちでいっぱいになった。「4人のみなさんありがとう〜」小百合ちゃんと握手をしてステ−ジから降りる。自分の席までの間、何人かの人に肩を叩かれたのだが、本当にいい仲間を持つことができているのだということを実感した。
 ♪デレレレレン・デ〜レレレレン♪デレレレレン・デ〜レレレレン…来た、来た、来た〜!人気の高い「パラレルガ−ル」だ。この人気曲で会場が盛り上がらないわけがない。みんな小百合ちゃんと一緒に♪「ブリっ子・ちゃめっ子・悪魔っ子」と一緒に歌ってノリノリだ。♪ポッピン・ショッキン・ドッキン ク〜ルクルパ〜ワフルレィ〜ディ〜…と当時の難しいあの振りつきを小百合ちゃん難なくこなす。私はといえばBメロディでの1・2手拍子はもちろん「フ〜!」という掛け声、そしてバックコ−ラスに合わせて♪「レィ〜ディ〜」とフル体制での応援だ。
 ♪ブリっ子・ちゃめっ子・悪魔っ子 ブリっ子・ちゃめっ子・悪魔っ子 ブリっ子・ちゃめっ子・悪魔っ子 …3回連続で絶叫し、右手を大きくまわして「フ〜〜〜」という部分でもりあがる。本当にすばらしい躍動感だ。
 そして休むまもなくコ−ラス隊のお2人が小百合ちゃんの左右に展開し、「恋 あなたしだい」が始まった。♪トゥナ〜イトゥナイトベイビ− トゥナ〜イトゥナイトベイビ−…素晴らしい。何が素晴らしいってこの両脇を従えてのフリ付は当時の大流行だった。それが今また蘇るなんてすごすぎるとしか言いようがない。小百合ちゃんとコ−ラス隊の指差し攻撃に我々も元気に指を指し返す。こんなステ−ジを当時のほかのアイドルが今できるだろうか…いや、きっとまねできないに違いない。これは小百合ちゃんとファンとバンドスタッフの信頼感がなければなりたたないのだ。本当に満ち足りた空間が会場内を包み込んでいた。
 
【25】シアワセはあなた
 「いよいよ最後の曲になりました」と彼女が言った瞬間、客席からいっせいに「え〜〜〜」という声が跳ね返る。まるでお決まりのようなやりとりに「なんか練習したみたいですね。でもラストといってもアンコ−ルもありますので!」と彼女がすかさず反応。このあたりのト−クが彼女は実に素晴らしい。
 ラストの曲は最新ナンバ−「幸せとは気づくものなんだよっ!」であった。キ−ボ−ドの音がまるでシアワセの光で暗闇をつらぬくように響き渡り、他のバンドマンたちもそれに追従する。♪人生は驚くほど 長くて短い〜Love Love Love Forever Love Love Love Forever…彼女のシアワセの歌声がひびき、宙を舞う、そして私たちのこころがそれと交わって素敵で満ち足りた空間が会場内を包み込んだ。
 「みんなありがとう〜みんなありがとう〜」彼女はそうさけびながら私たちに手を振ってくれる。私たちの方こそありがとうという気持ちでいっぱいだった。シアワセとは気づくもの…あなたと一緒にいられることが私の何よりのシアワセということはもうとっくに気づいていた。そしてそのまま暗転し小百合ちゃんはいないくなった。
【26】アンコ−ル
 「アンコ−ル、アンコ−ル!」どこからともなくアンコ−ルの掛け声がかかった。私も当然その後に続く。最初はゆっくりだったのだが、みるみるうちにそのスピ−ドはあがりものすごい速さになった。きっとこのライブの興奮があまりにすごかったからに違いない。あまりにはやすぎてその声が消えそうになった。その瞬間、女の子がアンコ−ルと声を出して持ち直す。そしてそれがいつの間にか「小百合」コ−ルとなってその声が波のように繰り返す。まるでワッショイワッショイというように「小百合、小百合」と連呼しているのだ。
 「ヒュ〜!」小百合ちゃんの登場によってものすごい声援が彼女を迎えた。「それではバンドメンバ−紹介です!」そう、これまでバンドメンバ−の方の紹介がなかったのだ。「まずはリ−ダ−でベ−スの木下さ〜ん」ベース担当のリ−ダ−が手をあげながら入場してくる。リーダ−だけあって一番演奏が上手いかもしれない。「それからドラムのDo藤崎さん!」いつも渋い彼が笑顔でみんなの声援に応える。この方のドラムはリズム感がとてもすばらしく、それでいて目立ちすぎないところがGOOD。「それからキーボ−ドのとものさん!」今回のライブではギタ−とのマッチングが絶妙でした。「それからギタ−のオバタさん」この方のギタ−演奏は毎回目立ってます。ウィ−ンと音を流す部分は最高にカッコよく、目をつむりながらリズムに合わせて首を小刻みに震わせながら弾く、その姿は毎回小百合ちゃんのライブでは定番になりつつあります。「そしてコーラスのSATOMIさんとSHIHOさん」このお2人がコ−ラスを担当していただけたので小百合ちゃんの歌がグッとPOWER UPされました。「そしてボーカルは私、岩井小百合で〜す!」このアナウンスに会場は割れんばかりの拍手が巻き起こった。「それじゃあ、アンコ−ルはドリ−ムから行きましょうね!」♪優しいあなたの口づけ受けるとき 泣かないで かわいいよ ベイビ−〜…みんな手がはちきれるほど強く叩き、ベイビ〜と叫ぶ。「フ−」という掛け声は疲れるところを知らず、最後までそのPOWERが落ちることはなかった。
【27】そんな…
 「それではここでお知らせがあります。ベストCDが発売されるといわれ続けてきましたが、残念ながらまだ発売決定には至っていません。それは全曲CD・DVD2作のすべての作詞家と作曲家、その他関係者に承諾を得なければならないのですが、デビュ−から22年もたっていて権利関係が複雑に絡み合っているのです。きょうはキングレコ−ドの方も何人かいらしていただいていますし、このライブ中に発売日程を発表できればよかったのですが…。しかし、ベストが出ないということはありません。必ず出ます!なぜなら私自身がサンプル版を持っているからです!もうすべて出来上がってるんです。この場でお見せしたいところですが、見せびらかすのもあれですので。必ず発売されますのでもうちょっとだけお待ち下さい。」彼女の説明にみんな納得し、大きな拍手が起こった。
 「それからもう一つ発表があります。」…どことなく会場内にあやしい雰囲気がただよいはじめ、緊張感が走る。「重大発表があるということで巷では「引退か?」とも言われていたようですが、私岩井小百合はたとえ芸能人の方がすべていなくなってしまっても引退することはありません。」この言葉にみんな安堵の表情を浮かべ拍手が巻き起こる。では、重大発表とは… 「実は、私の長年の夢がありました。それはえ〜」と彼女が話し始めたときに「武道館コンサ−ト」という声が会場からかけられた。「それは…もう私自身じゃなくてプロデュ−スの側にまわりたいです。そして自分の記録を破らせたいですね」会場からまたも拍手。そして…
 「実は…アメリカでずっと前から英語とかジャズとか音楽の勉強をしたいと思っていたのです。30歳ぐらいの時には留学のための学校まで調べていていく寸前までいっていました。ですが、レギュラ−番組の仕事が入ってしまってその時は立ち消えになってしまったのです。そうして今に至って子供も出来てしまったわけですが、今行かないと一生その機会はないのではないかと思いはじめたのです。
 反対意見もたくさんありました。でも行かないと後悔する…そう思って4月から2年間ぐらい子連れ留学をすることに決めました。アメリカのヒュ−ストンです。
 
【28】涙が…
 「ただ、ずっと行きっぱなしではありません。日本でのお仕事があれば帰ってきます。それに今はインタ−ネットがあるのでそこで随時情報はドンドンお伝えして、今と変わらずコミュニケ−ションをみなさんととりたいと思っています。今まで以上に写真やメッセ−ジをお届けしてみなさんに淋しい思いはさせませんよ。」
 私は話の途中から顔を上げられなくなってしまった。ヒュ−ストンっていったいどこなんだろう、NASAのあるテキサス?それに2年間なんて…そんなに長くなくても。やっと復活してきたと思ったら今度はアメリカなんて…。私は彼女と1分1秒でも長く一緒にいたいだけなのに…こんな言葉がココロの中で叫んでいる。本当に淋しくて悲しくてつらくて目の前が真っ暗になった。
 「2年ぐらいなんてあっという間。帰ってきたときにはまたみんなでこの場所でこのバンドでライブをやりましょう!約束ですよ!」彼女の優しい言葉にみんなさびしい気持ちをこらえて拍手で応えた。「実はこの時間はもう1曲歌おうと思っていたのですが、曲が決まっていません。何の曲がいいですか?」
 そうだ、まだライブは終わっていないのだ。みんな少しずつ気を取り直しつつリクエストする。パラレルガ−ル、恋あな、ドキハ−パ−、いちごの片想い…たくさんありすぎてしぼれない。「じゃあ拍手で決めましょう」それぞれの曲を小百合ちゃんが読み上げ、みんな拍手するのだが、それでも決まらない。
 「このあとバレンタインパ−ティ−もあるし…」時間はすでに5時半をまわろうとしていた。「じゃあ、ドキハ−パ−で!」彼女の一言で決まった。
【29】情熱
 ふたたび小百合ちゃんコ−ルの嵐が巻き起こる。みんな淋しさを振り払うかのように、そしてこれからも応援したいという意思の現われかのように力強いコ−ルだ。そう、みんな小百合ちゃんが大好きなのだ。だからこそこんなに一生懸命大声で応援できるのだ。♪さ・ゆ・り ♪さ・ゆ・り ♪さ・ゆ・り!みんなの大絶叫でアンコ−ルは幕を閉じた。誰かが「ありがとう」と声をかけたが、これだけでは終わらなかった…。
 期せずしてアンコ−ルの声が起こる。「もしかしてもう一回アンコ−ルがあるのでは。このままでは終われない。こんな寂しい気持ちでは終われない」そんな気持ちを表しているかのように、今までのライブでは絶対になかった2回目のアンコ−ルが大きな大きなコ−ルとなって会場を包み込んだ。
この情熱、この思い…小百合ちゃんに届けとばかりにみんなこころを込めて声援を送り続けた…
【30】またこの場所で
 この声援に応えて小百合ちゃんが再登場してくれた。衣装はなんと…おへその見えるTシャツにタンクトップのような出で立ちだった。「細い…」思わず私はそうつぶやいてしまった。彼女のきれいな「おへそ」の周囲のお腹はぜい肉がまったくないのだ。いや、ただないだけではなくてむしろ「キュッ」ときれいに引き締まっているのだ。そういえば…彼女はダイアリ−でスポ−ツクラブに半年も通っていると書いてあったことを思い出した。きっとその成果がこれなのだ。そうでなければこんなにもきれいなお腹になるわけがない。
 「え〜と…いろいろな思いの方がいらっしゃると思います。私も正直、日本にいたほうがいろいろあるんじゃないかという思いもあります。でもせっかくの機会だし、どこにいても私たちは変わらないと思うんです。だから行ってもいいかな?」そんな彼女のト−クにすこしだけ間があった後、「いいとも…」と少し元気のない返事が客席から返ってきた。きっと本音は行ってほしくないに違いない。でもそんな気持ちを振り払うかのように「頑張って」「待ってるよ」「ぜったい戻ってきて」という声がみんなの間から飛びはじめた。「ありがとう。必ず戻ってきて、またライブをやります」…そう、この言葉をみんな待っていたかのように「また、やって!」「ぜったいやって!」という大声が飛ぶ。
 その声に彼女が「もちろん!またライブをやったらまた来てくれるかな?」「いいとも〜!」今度こそ本当に大きな大きな返事が返ってきた。そして「またこのバンドでやって〜!」という声がかかった。この言葉には私も小百合ちゃんもそして他のみんなも大きな大きな賛同の拍手であった。

 「この場にふさわしい曲があるんです。とってもいい曲だと思っていたのですが今日まで歌わずに来ました。ロマンティックストリ−トからの曲です。この曲と共にみなさんにお礼をいいたいと思います。ありがとうございました。あの頃にThanks
 とものさんのキ−ボ−ドの音色が静かに流れ出す…まさか最後の曲がこの曲になろうとは思ってもいなかった。でも今日のこの場には一番ふさわしい気が私はした。♪じゃあねと笑って歩き出す 私をみないで今は〜こころがはじけてしまうくらいに いとしくてせつなくて あの頃のすべてがまぶしいから ありがとう さよならは言わない…なんと今の私たちに合った曲であることか…。私の頬には自然と熱いものがしたたり落ちていた。
 とうとう
曲が止んで彼女がマイクを置く。そして彼女はこうさけんだ「ありがとう〜、そして行ってきま〜す!」みんな一瞬言葉が出なかった。その代わり大きな大きな拍手が彼女を見送った。その拍手はいつまでも止むことはなくずっと鳴り響いていたのであった。
【31】待っている
 照明がついても私は一瞬立ち上がることが出来なかった。あまりの衝撃に脳の判断能力が著しく低下していたのだ。うしろの席にいた田〇ひろみさんが「元気出してね。それじゃまた…」私に気を遣ってくれているのがとても嬉しかったが、気の利いた返事などする元気はどこにもなかった。
 次にち〇りんさんが私の傍にきた。彼女はもう泣きそうだった「私、どうしよう…」そう彼女は消えそうな声で話しかけてきた。彼女は昔小百合ちゃんのファンサイトを開設していたほどのファンである。彼女のことを特別に思っていることに今も昔も変わりはない。どうしよう…それは私のセリフであった。私は毎日ずっと彼女のことを考えているのだ。わたしの願いは一緒にいる時間が一秒でも長いことなのに彼女が日本からいなくなってしまうなんて…ち〇さんにかけてあげる言葉が見つからず困っていた。
 そうだ!私の頭の中にあることがひらめいた「小百合ちゃんにメッセ−ジを伝えるのでこの色紙に名前入りで書いてください」。そう、寄せ書きである。みんなの思いを伝える方法…今の私にはこれぐらいしら思いつかなかった。そして近くに来た山〇かまち君にも書いてもらう。彼もせっかく久しぶりに小百合ちゃんに逢いにきたのに相当ショックだったに違いない。店内清掃が始まっていたので私は出口にトボトボと向かっていった。
 外に出るとすでにあたり一面暗闇が覆い尽くしていた。こんなに楽しいライブだったのになぜか私の気持ちはとても重かった。何人かの人が気を遣って話しかけてくれるが、もう私の耳にその言葉は届いては来なかった。
 彼女がいなくなって私は生きていけるのか…いや、それは無理だ。こんなにも想っているのにこんな状態のまま終わってしまうのはとても耐え切れない。ではどうすれば…もうこれは運を天に任せるより他はない。1日でも早く所期の目標を達成して、みんなが待っている日本に帰国していただくのだ。いや、たとえそれが完全に達成されるまでに行かなくとも、向こうで今後の人生に役立つ「何か」を発見することができたならすぐにでも帰ってきてもらう…そう思うことにした。私は誰よりも彼女のことを想っている。だからきっとまた笑顔で我々の前に戻ってくれると信じているし、その日を待ち続けている。素晴らしいライブを本当にありがとう!そして世界中の誰よりもあなたのことを愛しています… ありったけライブ体験記完