あの記念すべきライブから早くも一ヶ月、季節はもう秋に移り変わろうとしています。このペ−ジではあの楽しかった夏の日のライブを振りかえって自分なりの思い出を書くことに致しました。曲目や構成など一部記憶違いの部分もあるかと思いますがその点はお許し下さい。それでは伝説のライブへGO!
<緊張>
今日はいよいよ8/4。この日の為にいろいろと準備してきたものを抱え込み、私は上野駅に向かった。ここでファミリ−クラブのNさんYさんと待ち合せをしているからである。
先に到着した私は嫌な案内を耳にする。新幹線が落雷で遅れているのである。もしかして…と思いYさんの携帯に電話。結果なんとまだ「宇都宮」とのこと…そこでやむなくNさんと共に地下鉄で青山に向かう。先に行くのは気が引けたがこればかりは譲れなかった。地下鉄の電車の中、「もうすぐ小百合さんに逢える」と思うとドキドキしてNさんの声もあまり耳に入らない。
そうこうするうちに会場前に到着。まだほとんど人は来ていなかった。夕暮れの中、どんよりとした曇り空だがなんとか雨は降らないでいる。そして少しずつ人が集まり開場5分前までには、Gさん、Mさん他知っている方が次々と到着。久しぶりに再開した笑顔の中、内心みんなが緊張しているのを私は感じた。
<開場>
5分遅れで開場。中に入ると何と新しいグッズが売られているではないか!私はすかさず待望のCD「LOVE LETTER」を3枚GET(マニアなら当然!)。そしてCさんに頼まれていた限定の「オ−トグラフ」も無事購入した。オ−トグラフのフォトを見て「かっ、かわいい…」と感じた私は気づいた時にはもう一つ購入していた。
さて席はどこかと思ったら何と入る時にもらった香りつきカ−ドに席番が書いてあった。「なるほどこれなら混乱しないで済む」と小百合さんとスタッフさん達の配慮に感心して席に着いた。心配していたYさんもギリギリで到着。準備は整った。
<オ−プニング>
ほぼ定刻通りにスタ−ト。会場の電気が暗転となる。「どうなるのか」と思っていると会場の通路を小百合さんがアロマキャンドルを両手で持ち、そして静かに通りすぎる。
ステ−ジに到着した彼女はキ−ボ−ドの両側にキャンドルを置いた。そして無言のまま静かにキ−を弾き始める。今までに聴いたことのないインストナンバ−だ。暗闇の中、彼女の姿がキャンドルの明かりに映し出される。「美しい…」とても神秘的な美を感じた。そしてその曲が終わると一つのキャンドルの明かりを彼女は吹き消した。にくいばかりの演出である。続けてもう一曲今度はかなり激しいナンバ−だ。彼女の髪が激しくゆれる。ゆれてゆれて何かがついているのかと思うぐらいの激しさだ。「今までとは違う」きっと誰もがそう思っているに違いない。そして突然曲が終わり、待望の彼女の挨拶となった。
挨拶の内容は本当の今の自分を見てもらいたいということと良い意味でみんなを裏切りたいということの2点。話を聴きながら「うんうん」とうなづく私であった。
<ヒ−リング>
次のコ−ナ−は小百合さんによるヒ−リングと音楽、そして香りとの融合であった。誰もが知っているピアノのナンバ−(といっても私は曲名を失念!)から始まり新アルバム「LOVE LETTER」の曲が続々と投入、誰もが彼女の弾く音にくぎづけになった。私などは文字通り「吸い込まれ」そうになりいっそこのままステ−ジまで突入しようかと思ったぐらいである。
そして途中小百合さん主導による「ヒ−リング」タイムがあった。入るときにもらったカ−ドのにおいを嗅いで気持ちをリラックスし、そのまま目を閉じる。そして案内してくれる彼女の声が「天使の声」のように感じたところで終了。久しぶりにすべてのものから解放されたような快感であった。
<春夏秋冬>
今回のライブは事前にかなり計算された作りとなっていた。私の最初の予想では小百合さんのPCに予め曲を全て入力しておき、小百合さんが曲を説明した後スイッチポンするのだと思っていた。ところが実際はすべて小百合さんがキ−を叩き、時には弾きながらMCを入れるというスタイルだった。小百合さんの労力はとても大変だがその分、臨場感と迫力はかなりのものがあった。
また中盤の構成についても普通に新曲をかけていくのではなく作った時のコンセプトに併せて「春夏秋冬」という位置付けがしてあった。確か「horizon」は春のイメ−ジ、「海辺にて」は夏のイメ−ジだったと思う。小百合さんが弾きながら説明をしてくれたので、我々はインストの曲でもはっきりと小百合さんの放つメッセ−ジをとらえることができた。このような構成も小百合さんが考えられたことなのだろうか…であれば先ほどのキャンドル、ヒ−リング、といい演出家としての才能も相当なものである。
ふと「大滝さんがこの場にいなくて幸いだった」と思ったがそんなことに気がついたのは私だけであろう。(これはラジオを聴いた人でなければわかるまい)
<Dear mother>
いよいよライブも大詰めに差し掛かってきたところで「Dear mother」についての語りがあった。それはこの曲が7年前に病気で急死されたお母様の思いを曲にしたというものであった。私自身は以前にその話を聞いたことがあり、今でも小百合さんがお母様のことを気にかけていることをよく知っていた。しかし、ほとんどの人はその場で初めて聞いた話ではないだろうか。小百合さんの熱く語る様子に会場は水を打ったように静かになった。誰もがまばたきするのも惜しいぐらいステ−ジの小百合さんを見つめ、そして見守りながら小百合さんの言葉に聞き入っていた。
そして一瞬、確かに小百合さんの目に光るものがあった。私はその時思わず「頑張って!」という言葉をかけようとした。しかし次の瞬間、気丈にも彼女は精一杯の笑顔を作って「Dear mother」を弾き始めた。
人それぞれにいろいろな過去があり、苦しみや悩みを抱え、そしてそれを乗り越えようとみんな必死に生きている。いつもhpで優しい気遣いをしてくれている小百合さん自身もその例外ではない。いや、むしろそういった経験があるからこそ我々に対してもこの上なく「優しい気持ち」で接することができるのかもしれない。いずれにせよそういった小百合さんの「優しい心」があるからこそ、このような素晴らしい曲が生まれたのだと私は確信している。
この「Dear mother」は作られた背景を知らなくてもスケ−ルの大きい「素晴らしい曲」である。でもこのエピソ−ドを知ることによって、より深い理解とその思いを私は感じたのであった。
<アンコ−ル>
予定曲を終了し大きな拍手の中、小百合さんは退場して行った…しかし、誰も席を立とうとしない。おそらく感動の余韻があまりにも大きすぎてすぐに席を立てなかったのであろう。そこへスタッフの方の一人が「みんなアンコ−ルやってほしいよね−」という一声が入った。まるでその声を待っていたかのように再び大きな拍手が巻き起こりアンコ−ルタイムとなった。
アンコ−ルでは「to you love letter」がインストで流れ、その後にあの名曲「ときめきの海」がなんと歌入りで披露された。小百合さんの透き通った、それでいて力強い歌声が会場を包み込み大満足のうちにライブは幕を閉じた。
興奮のおさまらない私は迷惑にもライブ終了後、直接お花を手渡しさせていただいた。小百合さんは疲れているにも関わらず、いつものように素晴らしい笑顔で受け取ってくれたのだった。私は感動で胸がいっぱいで思っていたことの半分も話すことが出来なかった。
<終わりに>
約2時間、本当にあっという間で夢のように楽しく、とても有意義な時間であった。そして私はまたしても小百合さんの才能と感性と魅力に深く深く見入られてしまったのである。一ヶ月たった今、ライブを振り返ってあれは「真夏の夜の夢」だったのではないかと思うときがある。でも小百合さんの優しい心が詰まったCDを聴くたびに感動がよみがえってきて「夢じゃないんだ、そして本当に行けて良かった」としみじみと感じている今日この頃である。
小百合さん、スタッフの皆さん、本当に本当にありがとう!
<余談>
今回は撮影、録音、禁止の為(当たり前ですよね)、ここにも画像は一切転載しませんでした。ですが新会報「LOVE LETTER」には素敵なフォトと小百合さんの心のこもったメッセ−ジが掲載されていますので是非とも「ファミリ−クラブ」に入会されることをおすすめ致します。自分が今何ができるか、そして何がしたいか、ということをお考えいただければと老婆心ながら思う次第であります。
そしてみなさんすでにご承知のようにこのCD「LOVE LETTER」の朗読詞が公式hpにて大募集されていますので併せて御報告させていただきます。
今回参加できなかった方も是非次回はライブ会場でお会いしましょう!
*今回のライブの模様につきましても「著作権」等に関しましては広義の意味で「ご本人」「所属事務所」に帰属すると思われますのでこの文の取り扱いにつきましても十分ご配慮下さいますようお願い致します。
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